８/27 (日）オンライン/出産･産後における神経系の理解と“タッチケア” ― 安心感･心地よさ･つながりが“産後うつ”を予防する
出産･産後における神経系の理解と“タッチケア”
―安心感･心地よさ･つながりが“産後うつ”を予防するー
日時：2023/8/27（日曜）13時～16時（自由参加交流会～17時まで）
スピーカー：
荒井英恵（助産師）
中川 れい子（NPO法人タッチケア支援センター代表）
形式：Zoomミーティング（録画視聴あり）
参加費：3500円
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妊娠・出産は人生における奇跡と祝福とも言え、至福感や感動を伴う経験となる方が多くおられます。しかし同時に妊娠・出産は母体の身心に激しいストレスを与えるもので、状況によっては母子ともに生死にかかわるケースもあります。その不安・怖れ・苦痛や、複雑な感情がトラウマとして残った場合、適切なケアがないままでは「産後うつ」へとつながることも懸念されます。
こうした中、医療現場では、身体にやさしく手をあてる、穏やかなタッチの “触れるケア（タッチケア）”が産後の女性たちへの身心のケアとして注目され、産院や産科病棟でも取り入れられるようになりました。
産後のサポートにおいては、出産の際に過剰に高まりすぎた交感神経系を穏やかになだめ、自律神経系のバランスの回復を促す身心のリラクセーションが有効であることはよく知られていることです。
今回は、助産師の荒井英恵さんをお招きし、出産時の女性たちの神経系の大きな変化への理解とそのケア法についてお話をうかがいます。
そして、後半はタッチケア支援センター代表の中川れい子から、産科病棟で実施している産後のタッチケアトリートメントについてご紹介し、さらに、今後のソマティック（身体的）アプローチによる、産後ケアについての展望を二人で語り合いたいと思います。
神経系への働きかけについては、近年研究が進んでいる「ポリヴェーガル理論」についてもフィーチャーしてお話させていただきます。
出産前後の女性の心身ケアに関心のある方、ポリヴェーガル理論について理解を深めたい方にぜひお届けしたい講座です。
【内容】
第一部 助産師 荒井英恵さんのお話
「出産における女性の神経系の変化の理解とヘルスケア～周産期メンタルヘルスにタッチケアを」
出産した女性は体力を大きく消耗し、未知への挑みに心は揉みくちゃにされる。身心ともにボロボロ･･･と表現する女性も少なくありません。
そんな“いのちがけ”の出産後は、身心共に穏やかに過ごすことが必要です。大きな波にのまれバラバラになった「心と体」を取り戻し、自身を再発見し、健やかに日常を過ごせる「身心のまとまりのある状態」へ至ること。
私たち支援者は、産後の女性に起きているそのプロセスを優しく見守り、ケア・サポートしていくことが大切となります。そこには多様な関わり方がありますが、個々の神経系に合わせたコミュニケーションと、深いリラクゼーションを促すマッサージやタッチケアがとても有効だと感じています。
出産による疲労がなかなか回復しない。慣れない育児に戸惑いを抱いている。頻回な授乳に圧倒されブルーになっている。そんな時、個々のペースを尊重し、柔らかく温かな手によるマッサージやタッチケアは、単なる疲労回復や気分転換に留まらず、心の奥底までのアクセスツールとなり、身心共の健やかな回復を促していきます。
それは脳の認知からの「トップダウン」ではなく、運動感覚や感情レベルからアプローチする「ボトムアップ・プロセス」の考えにも適うものです。
今回は私の臨床現場での経験から、産後女性へのより望ましいケア・サポートについて、また周産期特有な神経系の理解について、参加者の皆様と一緒に考えていきたいと思います。
（荒井英恵 助産師）
第二部 タッチケア支援センター中川れい子のお話
「産後のタッチケア・トリートメントの実際～産後ケアにおける神経系への取り組み」
私達、NPO法人タッチケア支援センターでは、兵庫県神戸市の総合病院の産科病棟で、出産後のお母さんたちにゆったりとくつろいでいただくために、全身のオイルトリートメントの施術活動を長年実践しています。
私達は、それを”産後のタッチケア・トリートメント“と呼んでいます。コロナ禍の、ご家族が面会できない時期も、感染対策に留意して施術活動を続けてきました。寂しく不安に陥りがちな時期だからこそ、こうしたケアが必要であったと振り返ります。
今では、専用の施術ルームも創設され、穏やかな間接照明、ヒーリング音楽、そして、全身へのゆったりとしたオイルトリートメントをお届けしています。やさしいタッチの心地よさを通じて、妊娠・出産という身心にとって生死にかかわる過酷な状況を乗り越え、疲れきった産後のお母さんの身心に、安らぎと心地よさを伝え、そして自分自身に戻る時間を提供しています。
今回のオンライン講座では、こうした産科病棟での産後のタッチケア・トリートメントの実際について、特にお母さんたちの神経系へのサポートに注目し、産後の興奮した神経系を穏やかになだめ、自律神経系のバランスを取り戻すとともに、安心・安全・心地よさ・つながり感、さらに、自分自身に戻りゆく休息が産後のお母さんたちの神経系に、どのように影響をもたらすのかを考察したいと思います。 （中川れい子 NPO法人タッチケア支援センター代表理事）
第三部 トーク 荒井英恵 ＆ 中川れい子 他
【視聴方法】
以下のいずれかの方法でZoomにご入室ください。
①Peatixにログイン⇒「マイチケット」画面 http://peatix.com/dashboard から当該イベントを選択⇒イベント視聴ページへ
（参考：Peatixヘルプ-オンラインイベントに参加する）
②開催日前日にご指定のメールアドレスにお送りするZoomのURL/IDで入室
※メールが迷惑メールフォルダなど他のフォルダに届くことがあります。前日にお知らせが届かない場合はお手数ですが他のメールフォルダをご確認の上ご連絡ください。
※イベント当日にお申込みの方には②のメールが届かない場合があります。その際は①の方法でお入りください
【録画視聴について】
１週間後に録画をアップし、３か月間ご視聴いただけます。
【主催（連絡先）】
NPO法人タッチケア支援センター事務局
office.touchcare@gmail.com
http://touchcaresupport.com/
【スピーカープロフィール】
荒井 英恵（あらい ふさえ）
助産師・看護師
ターミナルケアを経験後、３０代で助産師へ。
都内産婦人科病院、助産院、クリニックにて、「妊娠・出産・産後」のケア・サポートを20年以上続けている。
現在、府中の森土屋産婦人科 勤務
ソマテイック心理学協会SPN世話人
SE東京12期トレーニング中
中川れい子（なかがわれいこ）
NPO法人タッチケア支援センター代表理事。
2011年、「やさしくふれると世界はかわる」をテーマに、タッチケアの普及・教育・研究活動を展開するNPO法人タッチケア支援センターを設立。ソマティックス（身体感覚の気づきにかかわるワーク）を重視した、家族間ケア・看護・介護等の対人援助のための「こころにやさしいタッチケア」講座を展開するとともに、産科・高齢者施設・がん患者会・緩和ケア病棟等での施術活動を実践。著書「みんなのセルフタッチング」（日貿出版社）等。SE東京12期トレーニング中。