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2021年03月14日

活動報告

3/6 フォーラム 山口創先生のご講演レポート

3月6日第六回タッチケア・フォーラム

身の医療研究会 第六回大会 講演レポート

(フォーラムの運営スタッフとしてお手伝いくださいました大原廣恵さんがレポートを書いてくださいました。ありがとうございました。NPO法人タッチケア支援センター)

午後の部のはじまりは、タッチケアフォーラムには今回4回目のご登壇となられました、山口創先生(桜美林大学リベラルアーツ群教授)の講義から始まりました。

 

『なぜ、タッチがこころと体を癒すのか?

コロナ時代に大切な、最新“オキシトシン”情報』

 

*以下はまとめになりますが、実際の講義中に紹介した実験については、著作権が関係するものもありますので、こちらで記載していません。ご了承ください。

 

お話の内容は、主に3つです。

1.自己と関わる皮膚感覚

2.オキシトシン最新研究

3.“触れる“と“さわる“

 

1.自己と関わる皮膚感覚

 

触覚について

触覚、を分類すると主に2つの機能がある。

①知覚機能(識別機能)

手のひら、足の裏、無毛部でものに触れた時に

形状、質感などを感知し、それが何かを識別する。

②感情喚起機能

手のひら、足の裏以外の有毛部で触れる時に、

心地よい、くすぐったい、など感覚に反応する感応をおこす。

 

実験によると、5cm/秒が最適の速さで、快に反応します。C触覚繊維は、毛の末端に巻きついており、その為無毛部にはありません。

 

感覚の分類

・外受容感覚

五感、外からの刺激に反応する

・内受容感覚

身体の内側で起こっていることを感知する

 

触覚は外受容感覚に分類されるが、

C触覚繊維の感じるものは内受容感覚になる。

 

2.オキシトシン最新研究

 

オキシトシンの役割 

オキシトシンは、爬虫類から哺乳類へ進化した時に出来たとされている。

脳の視床下部で作られ、脳下垂体、そこから

抹消神経、中枢神経、2つのルートに分かれる。

 

・抹消神経

子宮収縮 母乳分泌 乾燥から守る ダイエット効果

 

・中枢神経

親子の愛着強化 信頼性親密性強化 疼痛軽減

 

オキシトシンの体重減少は、

1.食物摂取量の減少

2.エネルギー消費の増大

3.加齢による筋肉と骨の老化防止

が関与している

 

まとめ

オキシトシンを分泌させるには

スキンシップ、人に親切にする、目を見つめる、優しく話しかける、ストレスをためない、五感への快刺激、ペットを飼う、共食などがありますが、現在の生活様式はオキシトシンを抑制するようなもので、現在若い女性の自殺率が高くなっているのもオキシトシンが出にくいことが問題となっているかもしれません。

 

そのために出来ることとしては

・自分との触れ合い→セルフコンパッションを高める 家族、ペットとの触れ合い

・ストレス解消法をみつける→五感への刺激 運動

があります。

 

3.“触れる“と“さわる“

 

・触れる

安心安全な空間の中で起こる身体の同調

→C触覚繊維が働き、快の感覚、安心の状態でオキシトシンが分泌される

・触る

身体の同調を伴わない一方向的な接触

→触覚受容器が働き知覚する

 

 

 

報告:大原廣恵